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  「秘密2001」

 
  「今度僕を殺す時はここ(脳)を狙ってくれ。たとえ死んでも、誰にもこの脳が見られないように。(「秘密」1巻P132より)」
 
「科学警察研究所・法医第九研究室」。
 ふつうの捜査では原因のわからなかった事件を、死者の脳に残った「視覚」をあばくことで解明していく研究所。
 原因不明の9人の少年たちの連続自殺事件。第九のメンバーが調べていくうちに‥‥。
 
「はじめてMRIの映像をみた者は、その映像の鮮明さに言葉を失う。
 科学技術の進歩に驚くのはもとより、自分の頭の中にもある「脳の力」に。その宇宙のように未知で深淵なる世界におそれおののくのだ。
 そして、皆、考える。
 もし、自分が、死んだら。
 死んでこんな風に沢山の人間に自分のみていた画を総て、見られることになったら。(「秘密」1巻P97より)」
 
 かつて解明されなかった「連続28人殺し」。
 親友の鈴木さんを殺すしかなかった薪警視正。
 そして新しく第九に配属された青木一行。
 事件の謎はそれぞれ複雑にからみあっていく。
 
 本当に「秘密シリーズ」の視点・画力には、圧倒されます。
 
 
 
 まだ「秘密1999」の時は、清水先生らしい感じがしてたけど、「秘密2001」は、先生にとっても全く未知のジャンルだったんじゃないでしょうか。
 もし薪さんがいなかったら、「別の作者かも」とうたがったかもってくらい、違う世界。(いえ、薪さんがいなくても、ちゃんとわかりますが。)
 
 完ぺきに、近未来SF。
 将来ありうるからこそ、こわくなる。
 
 私の目に「世界はどううつっているのだろう」。
 いや、何を見ているのだろう。
 
 深く深く考えさせられる、シリーズです。

 

清水玲子「秘密−トップ・シークレット−」
(A5版・ジエッツコミックス。)
 
2002.7/27(土)

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