『月夜水の詩』HOME > 『秘密』の入り口。』 > 清水玲子先生原稿作成お仕事データ

 


   

清水玲子先生原稿作成お仕事データ

 

清水先生のスケジュールを知りたい、という声を以前見かけたので、
複数の資料をまとめます。
『LaLa』や、2006年までの『メロディ』が毎月発行で、
現在『メロディ』が隔月、『秘密』が大増ページなので、この資料当時と現在は、
すこし変わってくると思います。
 
 
以前書いた、【清水先生のカラー・モノクロの原画の画材について】
に引用したことは省きます。

(2009年9月19日)

 

  COMICATE<白泉社創立30周年記念特別号>
  2003年4月発行/白泉社発行/無料配布


  【使っている道具教えて下さい】
  ICの漫画原稿用紙。ゼブラの丸ペン。Gペン。
 
  【カラー原稿の作画には、どのくらい時間がかかりますか?】
  「2〜4日」
 
  【ネーム・ラフ】
  「7日くらい」
 
  【下絵】
  「2日くらい」
  (B5サイズのノートに描かれたネームから、下描きの段階で、
  コマ割りに変化が見られ、構成が変わっている)
 
  【原稿】
  「5日くらい(ペン入れ/4日、仕上げ/1日)」
  (人物にペンが入って、背景が描かれ、トーンが貼られると原稿完成。)
 
 
  ・・・・・・『輝夜姫』連載時。毎月40P弱〜50Pほどの頃。
  COMICATE<白泉社創立30周年記念特別号>より引用
 

 

  『季刊コミッカーズ』2005年春号
  2005年春発行/美術出版社

 
  『輝夜姫』ネーム研究
 
  清水さんの『輝夜姫』最終回のネームを拝見!
  なんの変哲もない大学ノートに、掲載時と同じように左開きで描かれています。
  掲載誌面とほとんどかわらないほど描き込まれたネームには、
  制作上の工夫がたくさんよみとれます。
  じっくりご覧下さい。
  普段見ることのできない、清水さんの鉛筆の生き生きとした
  線やキャラクターの表情にも注目です!
 
  【ネームについて】
  ●ペース配分
  この回は(『輝夜姫』の)最終回で、ページも多いし10日以上は
  ネームにかかっていたと思います。
  ペン入れ他の実作業の時間が10日くらいはかかるので、
  逆算して少なくとも〆切りの10前にはネームができてないと、
  自分がきついのです。
 
  ●ネーム
  (かなり描き込んでいますが)へたにこの時に「まるちょん」だったり、
  コマ割りだけしか描いてなかったり、そのようにしておくと、
  それから先の絵に起こす作業がまた大変なので、
  ネームの時にここまで決めておいたほうが楽ですね。
  それに、例えばアシスタントの方に描いてもらうとき、
  こういう絵が必要だとかいうのもこれくらい描いてないとわからないんですよ。
  この段階でコピーしたものを編集さんにお見せして、
  それで特に問題箇所がなかったら原稿をすすめます。
 
  ●原稿
  編集さんにFAXしたそのコピーをトレース台でトレースするんです。
  そうするとアタリを入れる手間がいらなくなるんですね。
  このノートは、サイズが原稿用紙の基準枠とそんなに変わらないんです。
  普通は等倍コピーのままですが、例えば「このコマをもうちょっと大きくしたいな」
  という時だけネームを拡大コピーします。
  ただ、のどと断ち切りの部分がないので、広げたい部分、メインにしたい部分は
  原稿ではちょっと大きめにとります。
  そして、これをもとにもう少し丁寧に描いていきます。
  ネームではまだ顔が崩れているので、それをきれいに補正しながら
  下絵を入れていくんです。(清水)
 
 
  ・・・・・・『輝夜姫』最終話(60P)のネームについて。
  『季刊コミッカーズ』2005年春号/美術出版社/清水玲子先生インタビューより引用。
 

 

  『少女まんが家になろう!』
  2006年12月発行/白泉社

 
  清水玲子先生のネームと下絵
  清水玲子(メロディ『秘密―トップ・シークレット―』より)
 
  右はB5サイズのノートに描かれたネーム。
  左はB4サイズの原稿用紙に描かれた下絵。
  ネームの段階でほぼ完全に画面が決定している。
  それにしても人と人が絡む複雑なポーズをさらりと描いてあるネームに感動!!
 
 
  ・・・・・・『秘密2005 ACT.5』のネームと下絵について。
  白泉社発行『少女まんが家になろう!』より引用。
 

 

  『季刊エス』2007年秋号
  2007年10月発行/飛鳥新社

 
  The Making of「秘密−トップ・シークレット―」
 
  ●作業工程
  作業の流れは、プロット→ネーム(10日程度)
  →ネームを整えながらトレースして下絵、ペン入れ(10〜15日)。
  キャラクター設定は作っておらず、プロットを描くノートにメモのように描く程度。
 
  ●カラー原稿
  全てアナログ。クレセントボードやキャンソンボードに
  ドクターマーチン、ルナのカラーインクを使用。
  作業にかかる時間は背景の有る無しによって3日〜1週間程度。
 
  【ネームから完成まで「秘密−トップ・シークレット2007−」ACT.3】
  ●ネーム
  A4の大学ノートを後ろから使って、ネームをきる。
  勢いのある線で、背景や人物など、ラフながらもしっかりと形をとって描いている。
  キャラの表情や、コマごとのイメージなど、ネームの時点でほぼ固まっているようだ。
 
  ●下絵
  ネームを拡大コピーしたものをトレースして、B4用紙に下絵を描く。
  ネームから整える必要のある所や、変更する箇所はこの時点で直す。
  この下絵に直接ペン入れをして完成。
 
 
  ・・・・・・『秘密−トップ・シークレット2007−ACT.3』のネームと下絵について。
  『季刊エス』2007年秋号/飛鳥新社/清水玲子先生インタビューより引用
 

 

 

『秘密―トップ・シークレット―』清水玲子
白泉社ジェッツコミックスA5版1〜6巻 以下続刊/隔月刊『メロディ』掲載

 

TOP  HOME