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白泉社文庫『22XX』清水玲子/収録作品

 

 『22XX

あなたは食事をする時、何を思い、何を感じますか?
それに罪を感じたら、あなたはそれに耐えられますか?
それに感謝し、その命をくむことが出来ますか?
「食」に対する考えも、立場も背負うものも、全く違った、
2人の男女の物語―――。
 
ロボットのジャックは、ただのプログラムでしかない、
自らの食欲に、罪の意識を感じていた。
「ロボットの食べた物がどうなるかご存知ですか?
 「胃」に落ちてきたものは(中略)一瞬のうちに
 フリーズドライ化されて、捨てられるんです。
 血にも肉にもならずに」
なのに食欲を満たすため、――無意味に命を殺すと。
 
そんな彼は、某国王女の救出の依頼のため、
惑星メヌエットを訪れ、フォトォリス人の少女、ルビィに出会う。
 
命をつなげるために食し、食事を聖なる儀式とする、
フォトゥリス人のルビィは、人肉を食す。
人肉を食べることでその人の知識・理想・美点を
自分のものにすることが出来る、受け継ぐことが出来ると。
 
ジャックにプロポーズされたと勘違いしてしまったルビィ。
そんなルビィとどう接していいかわからないジャック。
ルビィは願う。「私の体はいつか私の子供に食べてもらう。
それまでは絶対に死ぬことは出来ない」と。
そんな2人を待ちうける運命は――。
 
機械と原始の意思を継ぐ命。
質が高いと評される、清水玲子の短編作品の中でも、
最も愛されている、今でも色あせることのない、名作。

(2005.7/22)
   
白泉社文庫『22XX』清水玲子/白泉社  または
花とゆめコミックス『22XX』清水玲子/白泉社

 

 『世紀末に愛されて

世紀末。滅びゆく世界を前に神は告げた。
「私が認めた恋人たちのみ洪水の間あの青い月に送り救ってやろう。
 その選ばれし者だけが21世紀の地球を担うことが出来るのであろう」と。
恋人葵を友人クルツとともに探すかおるは、
葵と似た女性、ミューズと出会う。
ミューズもまたかおるを行方知れずだった恋人シュラムと思い込み。
奇妙な関係の顛末は? 彼らはこの世でただ一人の伴侶を探しあて、
青い月へ行けるのか?

(2005.7/22)
   
白泉社文庫『22XX』清水玲子/白泉社 または
花とゆめコミックス『天女来襲』清水玲子/白泉社

 

 『夢のつづき

まるで無菌状態で育ったおもちゃの星の女王様の少女。
彼女の欲しかったのはあるロックスター。
さらわれたヒュー・マーティが目覚めたのは、
少女とお付の青年の2人しか人間のいない星だった。
 
「私は人間というよりは商品です」といって、少女を守りつくす青年、高見。
悪気はないのだが、わがまま放題の大金持ちの少女、アイリ。
そして、閉じ込められ、逃げられないロックスターの青年、マーティ。
 
アイリは、マーティの願いを、物や金を惜しみなく使い、かなえようとする。
そんなアイリにマーティは・・・・・。
 
閉ざされた星の中の、やさしいお話。

(2005.7/22)
   
白泉社文庫『22XX』清水玲子/白泉社  または
花とゆめコミックス『夢のつづき』清水玲子/白泉社

 

 『8月の長い夜

「成瀬という男が好きになった」と彼氏に振られた紀久子は、ショックで怒り、
その成瀬という男を調べようと中等部の学ランを着て男子部に潜入して。
その成瀬鳴海という少年とともに
図書室の地下の実験室に入り込んで捕らえられてしまう紀久子。
そこではある実験が行われていて――。
 
白昼夢のような物語。

(2005.7/22)
   
白泉社文庫『22XX』清水玲子/白泉社  または
花とゆめコミックス『夢のつづき』清水玲子/白泉社

 

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