「月と地球」
 
君は月そのもの。
重力にとらわれない、空かける者。
何者にも縛り付けられない、自由な者。
君がいたから、今の僕がいるんだ。
 
僕は君に焦がれて焦がれて。
君のようになりたくて。
君に追いかけてきてもらいたくて、
君をわざとつきはなして、それでも君を確認したくて。
君をずいぶん傷つけてきたよね。
 
僕は君に何も伝えられないまま、
死んでしまうところだったけれど、
こうしてまた神様は僕を生き返らせてくれた。
今、やっと本当のことが言える。
僕と君は、同じものを見ていたんだ。
 
だからもう、君を縛らない。
縛り付けたりなんかしない。
 
もしいつか僕が君を縛りつけていたのなら、
そしてそのことにより君を苦しめたなら、
きっと僕は君を解放するよ。
 
決して地球は月を縛り付けたりしないのだから。
地球は月を愛しているのだから。

(Midori)

   

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