「私はあなたではなくて」
 
私はあなたではないし、
あなたは私ではないし、
きっとそこから始まるのに、
私たちは重なった。無理やり、重ねられた。
 
何が正しいか知らない。
何が大切なのか知らない。
私は怒りですべてを忘れ、暴走するしかなかった。
 
私たちのことに気づいてくれる人は誰も居ず。
 
頬をつたう涙さえも、それは私のものではない。
自分自身すら見つけられない。
守りたいもの、あるはずなのに。
気持ちはいつも、空回り。

私はどこまで私なのか。
私はどこまであなたなのか。
その深い淵でおぼれる私。
 
あなたであるあなたを、私である私を、
見つけることが出来た時、
私たちはきっと前に進める。
 
たとえそれが私が消える日でも。
その瞬間に、私は私にきっと還れる。
きっと。

   

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