「オカベ。」 ただ、おまえの存在に、救われた。 誰も、自分自身さえも誰一人 信じられなくなっていたけれど、 お前のことだけは、信じることが出来た。 お前にだけは甘えることが出来た。 言葉にしないでくれてありがとう。 黙って見守ってくれてありがとう。 全てを見ても、お前は僕を黙って見守ってくれたね。 その傷に触れることもなく。 嫌わないでいてくれたね。 お前が居なければ、とっくに僕は、壊れていただろう。 まるで「お前には気づいていないのだろうか」と 錯覚を覚えるくらい、 忘れさせてくれたね。自由にさせてくれたね。 お前の存在にどれだけ救われただろうか。 お前に出会えて、良かった。 ただ、お前に感謝する。 今はまだ言葉には出来ないけれど。 言葉にはしないけれど。 お前が居てくれたことに、 静かにそばに居てくれたことに、心から感謝をする。 (『秘密』 薪剛) |