『薪へ』
おまえを信じたらよかったね。
おまえは今も第九にいて、
たくさんの難事件を解決し続けている。
逃げることも、目をそらすこともなく。
おまえを信じることができたらよかったね。
おまえをあんなにも苦しめるつもりはなかったのに。
おまえを苦しめたのはオレだった。
でもそれさえもおまえは乗り越えた。
おまえはオレが思っていたより、はるかに強かった。
オレなんかより、ずっと。
オレはもう、行くよ。
オレが見守らなくても、
おまえはもう大丈夫だから。
今のオレはおまえには見えないし、
今のおまえには仲間や
おまえを見守る存在があるのだから。
オレはもう行かなくてはいけない。
長く留まりすぎた。
これから行くところが天の国でも地の底でも、
誰もがいつかは行くところだ。
最後まで祈るよ、おまえの笑顔を。
おまえの幸せを。
どうか―――。
(鈴木)
(『秘密2001』)
2006年8月に風月春日さんに差し上げた詩です。
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