「声にならない、叫び」
  
 
「助けて」って、何度も叫んだ。
「もう生きていたくない」って、何度も叫んだ。
「「第九」が続いてもいいのか?」
「僕が「第九」にいてもいいのか、許されるのか?」
 
 
僕はお前に守られるのが怖い。
あいつのように、またお前を失うのではないのか。
そして、僕の勝手なこの思いが、
お前が幸せにすべき、
お前の最愛の少女を悲しませはしないのか。
死んだお前の姉や義兄を裏切るのではないのか。
お前の母は僕を許さないだろう、決して。
 
 
僕は生きていて許されるのか。
でも、この脳の記憶は、誰にもみられたくない。
けれどそれさえも、許されるはずもなく。
 
 
「第九」を守りたい。
もう僕は「第九」の人間ではないのに。
「第九の倫理」を守りたい。
でも壊しているのは僕ではないのか?
 
 
「守りたい」その理由は「秘密」のままで。
 
 

 
 
 
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