『月夜水の詩』HOME > 『深く語る。』 > ネタばれ危険ゾーン > 8
8. 碧のえらんだこと。 人を殺してはいけないのなら、 自らも殺してはいけない。 「月の子」を全話読んだ時。 セツがティルトを残して死んだから、 ティルトはセツを生き返らせて、自ら破滅していった。 だから悲劇が起きた。 それを教えてくださったのは、清水先生ではなかったか? 碧には共感していた。している。 でもあの結末だけは、「何でだよ?!」と思った。 由を、まゆを残して。 まゆがどれだけ碧を心配したろう。 どれだけ心をそそいで、看病して、つきそって。 「僕は絶対にどんな事をしても君達(晶とまゆ)を――「君(晶)」を助けたかった。」 (『輝夜姫22巻』より) 君が、まゆを救ったのに。なのに。 そんな時、TVで、下半身不随の男性とその恋人の事を見た。 いつも人の手助けが必要。そうでないと何も出来ない。 それでも生きた人。今は、働いているその人。 それを見た時、碧が由を縛らなかった、縛りたくなかった理由が つかめた気がした。でも今はそれを上手く表現できない。 碧には、生きて欲しかった。 他人のパーツをもらわなくても人は生きていけると。 足がなかろうが、腕がなかろうが。生きていけると。人は強いと。 それを証明して欲しかった。 それが出来たポジションに居たのは、碧だけ。 なのに。 憎しみの連鎖は、本当に解けるのだろうか。 碧。生きて欲しかったよ。
(2004.12/4)
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