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       感想文というより、読んで感じたことです。 
        本編とは関係ありません。 
          
           
        『秘密』を読むようになって、私は、よく、 
        自分の見ているものや視界や意識を、 
        よくみつめ返すようになりました。 
          
        自分は一体何を見ているのだろう。 
        そう、立ち止まって、目をすます。 
        耳をすますように。 
          
        誰にも見られたくない「秘密」。 
        私には「秘密」だらけだ。 
          
        事件などで、その事件を起こした人のサイトやブログや 
        過去の写真や文章を、 
        メディアが取り上げるたび、 
        事件など起こすわけもないはずの私まで、 
        ネットが心底怖くなって、 
        もし私が、事件や事故やその他の理由で死ぬときがあるとすれば、 
        私は、サイトもブログも、このサイトに関するデータを一切、 
        その前に消し去ってしまいたい。 
        そう思うようになりました。 
        今ここにいるのが怖い。ネットが怖い。 
          
        でも、人生はリセットできない。 
          
        そして、生きているからこそ人はわかりあえるのだ。 
        生きていくことは、わかりあえること。 
        生きているのだからこそ、わかりあわなければいけない。 
        MRIは最後の手段。 
        この「岡部編」を読んで、そう思えるようになり、 
        心底安心しました。 
          
          
        『秘密』はフィクションだけれど、 
        「秘密」を脅かすことのできる時代に私たちはいます。 
        その他人から見た「秘密」は、本当に真実かどうか。 
        物事は視点によってどうにでも見れるから、 
        真実なんて本人にもわからない。 
        何があったかの事実だけでは、動機はわからない。 
        動機があったからといって、許されるものではない。 
        許されないからといって、事情も見ないのは酷。 
        現実はあいまいで、それぞれの人にその人の世界がある。 
        それを壊す権限なんて誰にもない。 
          
        私は心底、安堵したのです。 
      (2005.11/29) 
      「秘密―トップ・シークレット―」清水玲子  
        1〜2巻+メロディ掲載分 
        白泉社ジェッツコミックス(A5版)  
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