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「まゆ・1」 (輝夜姫)
  
 

 まゆは、晶を救えないのだろうか。
 晶は、まゆを救えないのだろうか。
 歪んでしまった2人は、もう元には戻れないのだろうか。
 
 
 「輝夜」18〜19巻で、清水先生は、晶とまゆを徹底的に描いたと思う。
 でも、あんなことがあって、晶まで由にとられて、父親にあそこまでいたぶられて。
 どうしたらまゆは幸せになれるんだ?
 それとも、幸せになれないまま、終わってしまうのか。
 
 確かに、「輝夜姫」は、かぐや姫の後継者の晶と、かぐや姫の実子の由の物語だと思う。
 でも、もし由が晶とくっついたら、由にあこがれ、晶を愛する碧だって絶対傷つく。
 あんな行動をとるほど、2人にやいてるんだもの。
 由が碧を大切に思う気持ち。
 晶とまゆの関係。そして愛しあう晶と由。
 どうしたらこのバランスを崩さないまま、4人は幸せになれるのだろうか。
 それとも由と晶のみ、幸せになるのだろうか。
 
 戦い疲れて、守って欲しいのに、戦わざるをえなかった晶を、由なら救えるのだろう。
 由も、碧を切り捨てるのなら、晶と2人幸せになれるのだろう。
 月に行こうが、天に帰ろうが、2人なら。
 でも、私は由が碧になついているのが好きだったし、晶とまゆが好きだったし、何より、まゆというキャラが、そして碧というキャラが、とても好きだ。
 この関係を壊さずに、4人とも、幸せになって欲しい。
 
 でも、無理だろうか。
 まゆをこの世で一番傷つけた人は、由と同じ顔をしているのだから。
 そして、まゆが由を受け入れることができるかどうかは、はなはだ疑問だ。
 
 
 清水先生が、テーマのためには、どんな残酷なラストでも描く方だということは私は知っている。
 でも、まゆにだけは、救いがあって欲しい。
 死ぬなら死ぬで、笑って死んでいって欲しい。
 救いが、欲しいのだ。
 
 
 碧がのりこえたように、まゆにものりこえて欲しい。
 くもの糸のような希望を求めながら。
 私は、まゆの幸せを望む。


 
(2003.2/26)
 
  
(この文は、ララ2003年4月号を読む前に書きました。
でもあえてこの文を残したいと思います。)
 
 
 「輝夜姫」清水玲子 花とゆめコミックス
1〜20巻/以下続刊&ララ掲載分

 

  
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