『月夜水の詩』HOME > 『深く語る。』 > 「『秘密』の映像化は可能か」(秘密) 

 


 
 

『秘密』の映像化は果たして可能か?!
(『秘密』シリーズ)


 

清水玲子先生の最高傑作。
映像化熱望の『秘密』。
でも、よく考えると、この作品は、果たして映像化可能なんだろうか‥‥?


『秘密1999』
 
やっぱりこれは、アメリカ大統領だからロマンVvなわけで、
これが「○泉首相」や、「○ん」さんだと、いただけない。
やっぱり舞台は米国でないと。
しかも、作り手が男の人だと(しかも米国の人には)、
けっこう嫌がられそう。
 
この切なさと胸が締め付けられる思いは、
女の人にしか、わかりません。
 
それにロス君役の人は果たして、いるのだろうか。
見た人が恥ずかしくなるほど色っぽい青年って‥‥。

『秘密2001』
  
これが一番映像化されやすい、と思っていました。
でも、コミッカーズ2002年冬号の清水先生のインタビューで、
「捜査員が気が狂っちゃうくらいのインパクトのある
 死体を描かないといけなかった」と先生はおしゃってました。
そんな映像をもし観客が見たら、すごい問題ですよね。
中途半端にはして欲しくないし。
このへんがひっかかります。

『秘密2002』
 
とてもファンタスティックで美しいと思います。
ただ、単独で映像化するには弱いかな。
見てみたいんですけれど。

『秘密2003』
 
清水玲子作品の中でももっとも最高傑作というべき作品の『秘密2003』。
謎が謎をよび、迫り来るサスペンス。
ただ、大きな問題は、
青木が見たくないような、見ることが苦痛な、罪悪感を感じるような程の、
Hシーンを映像にしたら、「18禁」では?
 
清水先生だと、エロくてもまだ、絵をコントロールできるけど、
それが生身の人間のHだとね。
それさえクリアできたらいいんだろうけど。
 
このシーンというか、このHシーンを青木が「見るべきではないのに」
と思ってしまう葛藤が、この作品の中核なので。

実は、私ずっと『秘密』の映像化を望んでたんですよ。
でも、よくよく考えると、ムツかしそうですね。
でも、マンガが映像化におとるとは限らないし。
『秘密』みたいに、マンガでしか表現出来ない物語も、
あっていいのかもしれません。
「マンガが映像におとるとは限らない。」
それを表現したのが『秘密』なのかもしれません。
マンガの特性を生かしきった作品なのかもしれませんね。
 
(それでもやっぱり、『秘密』の映像化を望みますけどね。)

2003.11/30
 
『秘密−トップシークレット−』1〜2巻 清水玲子
白泉社ジェッツコミックス(A5判) 月刊メロディ掲載


TOP  HOME

 

Copyright:(C) 2003 夜子,All Rights Reserved.