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『原罪』  (『秘密』と過去作品と聖書・4)



今号(2014年8月号)の
『メロディ』の

『秘密−トップ・シークレット−
 THE TOP SECRET season0
 ORIGINAL SIN―原罪−』は、

食事前に読まないほうがいいかな?
 
 
 
清水玲子著『秘密THE TOP SECRET season0』
最新作は、『ORIGINAL SIN−原罪−』
というサブタイトルになっています。
 
 
『聖書』に関係するかなと思われる
清水玲子作品を、リストUPしてみますね。
 
 
作品発表年代順ではありません。
 
 
 
 
 
(1)『お伽噺のユダ』(1985年)
裏切り者の話です。
 
 
 
(2)『ノアの宇宙船』(1985年)
未来の箱舟型宇宙船。
 
 
 
(3)『もうひとつの神話』(1985年)
未来のアダム・イヴ・カイン・アベル・セツ・リベカ
というキャラクターが出てきます。
たった一人の人間のイヴのほかは、全員ロボットです。
 
 
この3作品は、1985年に発表されています。
 
 
 
(4)『月の子−MOON CHILD−』(1988年〜1992年)
 
黙示録もなんだけれど、
『月の子』は、兄弟に殺意を持つ話なんです。
「セツは『聖書』から」、というのを聞いた気がして、
カインとアベルの弟が、セツなんですよ。
 
 
弟アベルを殺した、兄、カイン。
その事件のずっとあとで生を受けたセツ。
命を継ぐもの。
それが、なんか、最近、自分の中でつながって。
 
 
あと、ベンジャミン=ベニヤミンも『聖書』からかもしれない。
『旧約聖書』の『創世記』のラストに出てくる末っ子の弟の名が、
「ベニヤミン」なんです。すごく愛される末っ子です。
 
  
 
 
(5)『DeepWater<深淵>』(2013年〜2014年)
「洗礼」「不道徳」というキーワードが出てきます。
 
  
「ゆるされる。
 今までの 総ての罪は ゆるされる。
 あらたに 生まれ変わる。」

 
    (『DeepWater<深淵>』より引用)
 
 
 
 
 
(6)『秘密THE TOP SECRET season0』(2012年〜2013年)
のサブタイトルは、『秘密 Genesis 創世記』でしたね。
 
『Genesis』というのは、『旧約聖書』の『創世記』のことです。
 
家族と2人きりで生活していた薪を、その世界から、
鈴木は外の世界に連れ出すという。
 
 
 
 
これからは鈴薪メインの話かと思ってましたけど、
『ORIGINAL SIN−原罪−』は、
おもいっきり、青薪、岡薪の話でした。
 
 
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あと、カニバリズム(人肉を食すこと)で、
よく知られた清水玲子作品は、
 
 
 
(7)『22XX』(1992年)
 
人肉を食し、食事を聖なる儀式とする、
フォトゥリス人、ルビィと、
無意味な食事・食欲に苦しむ
ロボットのジャックの残酷な愛のレクイエム。
 
 
 
(8)『秘密 最後の晩餐』(2010年)
   『秘密 END GAME』(2010年〜2012年)
 
「人肉を食べて生きのびた」と言い残して死んだ
少年の脳のデータをめぐる物語。
 
 
でしたね。
 
 
 
 
『秘密 原罪』のストーリーも、青薪+岡部でしか作れない
テーマだったらもっと面白いですよね。
 
 
 
薪さんには、まだ秘密があったんですね。
未発表のエピソード、いくつあるんだ??
グロイの苦手だけど。薪さんが気になるっっ!!
 
 
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「原罪」というのは、『旧約聖書』の『創世記』の、
アダムとイヴから人間が負った罪、
「善悪を知る木の実(知恵の実/禁断の果実)」
を食べたことによって、
神の意に背き、楽園を追放される。
最初の人間から負うことになった、人間の罪。
 
全ての人間は、生まれながらの罪人なのだと。
 
 
 
でも、生きていくこと自体が罪なのだろうか?
 
 
 
もしかしたら、
『秘密THE TOP SECRET season0
 ORIGINAL SIN−原罪−』は、
『22XX』の、進化形なのかもしれません。
 
 
 
人は罪深い存在だ。
それでもそこで放り出すことは出来ない。
それでも前を向いて、生きてくしかないのだと。
 


【月詩Blog】  2014.07.02 (Wed) より  
2015年3月27日UP