【月夜水の詩】 > 清水玲子データベース > 『白泉社文庫』と『メロディ』
清水先生の、白泉社文庫を読み返していて感じるのは、
その計画性。
初めっからほとんどの作品を文庫にするつもりだったんじゃないかと
思うくらい、きれいに1冊1冊分かれている。
有名作だけを、話題作だけを先にチョイス、ではなくて、
年代とか、コミックス2冊丸ごととか。
すごく考えられていて、読みやすいんですよ。
清水先生の白泉社文庫は、
『月の子─MOON CHILD─』全8巻
『輝夜姫』全14巻
『ミルキーウェイ』/『天使たちの進化論』
『竜の眠る星』全2巻
『22XX』/『パピヨン』
『100万ポンドの愛』
シンプルでしょう?
文庫版『22XX』は、
花とゆめコミックスの、『22XX』『夢のつづき』丸2冊分の作品と、
+短編作品『世紀末に愛されて』収録だし。
文庫版『パピヨン』は、
花とゆめコミックスの、『パピヨン』『MAGIC』丸2冊分収録です。
初期の名作短編は、ジャック&エレナシリーズとともに
文庫版『ミルキーウェイ』『天使たちの進化論』に収録。
文庫版『ミルキーウェイ』には、ジャック&エレナシリーズの序章あるいは
第一話ともいわれる『メタルと花嫁』が最初に入っていて、
「『ミルキーウェイ2』ってなんですか?」とも昔よく耳にした、
『ミルキーウェイ2』も3本目に入っています。
超分かりやすい構成。
力入ってるなー。と思うよ。ほんと清水先生の文庫は読みやすい。
デビュー当時の作品集も、『100万ポンドの愛』にまとめてあって。
それで、ほんとに読みやすくなってます。
愛蔵版は、『WILD CATS完全版』のみですが。
『秘密』は最初から愛蔵版と同等ともいえる「A5サイズ」ですし。
ただ。『ロボット考』を何で収録して下さらなかったんですか?
今だに、残念に思います。
デビュー25年を超した(2013年現在30年)作家の作品が、
ごく一部を除き、ほぼ、文庫化。
(『ロボット考』『ナマケモノのスキューバダイビング』、
ミニエッセイなどのみ未収録。
『WILD CATS』は完全版がジェッツコミックスから出ています。)
そんな作家、白泉社にどれだけいるだろう。
というか、文庫化が早すぎたから、
今、『輝夜姫』くらいしか、店頭にないんですよね。
絶版はされていないらしいのですが。
ネット書店か、中古を当たるしかないのか??
(2013年現在、『輝夜姫』もネットで購入+中古でしか入手困難のようです。)
清水先生は、今まで、白泉社でしか、作品を発表していないと思う。
ごく初期は、よくわからない白泉社の雑誌で発表されていたみたいたけど
ほとんど、『LaLa』『LaLaの別冊』
白泉社の情報誌『プータオ』そして、『メロディ』で、活動してくださった。
『LaLa』さえ読んでいれば(当時)
『メロディ』も『プータオ』も、予告が載っていた。
『輝夜姫』完結後、清水先生が活動拠点を『メロディ』にうつされて、
私も『メロディ』を読むことにしてから、『LaLa』は読んでません。
『メロディ』は創刊号の表紙自体、清水先生で、
『メロディ』の予告は、ばっちり★『LaLa』にあったのです。
『LaLa』を読んでたら『メロディ』予告を知ることが出来た。
ふつうの「雑誌の『メロディ』予告」だけでなく、『輝夜姫』の柱とかにも、
『秘密』の予告があって。
だから、私は、見失わずにすんだ。
読者として楽で安心でした。
『メロディ』が創刊してくれて、よかった。
もし『メロディ』がなくて、『LaLa』しか発表の場がなかったら。
きっと『秘密』は生まれてはいなかった。
『メロディ』だから出来たことはいっぱいあったと思うし。
(『LaLa』では描けなかったでしょ、『秘密』は。)
清水先生も、インタビューでこう語っています。
「『メロディ』よりも『ララ』の方が、読者の年齢層が低いですから、
読者と近い年齢の子達を描かなきゃ、という意識がありましたけど、
今は大人の登場人物を描けますからね。」
(清水玲子インタビュー『季刊エス』2007年秋号/飛鳥新社)
『メロディ』とともに『秘密』は歩んできた。
私は、『メロディ』好きですね。
個性的な作家さんが多くて。
元『LaLa』『花とゆめ』、それらの別冊で活動されていた作家さんとか、
それらとかけもちの作家さんが多いですしね。
『秘密』はA5サイズと大判で、ふつうのコミックスよりずいぶん高めですが、
「高すぎる」という声よりも、
「大きいサイズで、絵がはえて読みやすい」
という声のほうがずっとまわりでよく聞こえるので、
Fanとしては、とってもうれしいなぁ。
【月詩Blog】2010.06.04 (Fri)より
2013年3月23日UP
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