「秘密・トップシークレット」(2001年版)
についての感想  

 

メロディ2001年1月号掲載、130P短編「秘密」について。
また清水先生は新しい領域を開きましたね。
この作品については、多分賛否両論の問題作だろうけれど。
130Pという、メロディの総ページ数の1/3近く占めた大作。
そして、清水玲子作品の中でも、おそらく、最高傑作に位置する作品。
 
 
2060年。人は死んだ人の「脳」から、
その人の過去見たもの総てを、 再現し、見れるようになる。
警視庁「法医第九」では、それを犯罪真相解明に利用するようになるのだが。
 
犯罪を扱っているだけに、非常に重い話だ。
けれど、この作品は、「生きろ」と言っていると思った。
どんなにつらい現実があっても。
大切な人を失った悲しみ。後悔。
 

「それでも生きていかなければならない。事件の真相を知っても」
 
鈴木さんの死。彼には死以外にも、他の選択肢はなかったのだろうか。
ラストの展開は、悲しかったです。やりきれなくて。切なくて。痛くて。
  (このラストに、とても感銘しました。)
 
でも、薪さんは、それでも生きていくと思う。
鈴木さんの想いを知った上で。
 
 
とても完成度の高い作品。
 
 
マンガではなく、小説のジャンルだったら、絶対SF系の賞、
けっこうとってただろうなぁ。この作品。
少女向けマンガと言い切れない。大人向けですね。
(しかも男性もけっこうはまっているという(笑)。)
少女マンガの域を超えた、自由なメロディならではの作品だったと思います。
 
(知り合いが、「テーマは愛?」とか言っていました。
 なんかそれって、「ちーがーうー」。)

2000.12/21

 

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