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文庫化された清水玲子作品

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ジャック&エレナシリーズ(著・清水玲子)
 
白泉社文庫『ミルキーウェイ』
 
白泉社文庫『竜の眠る星』全2巻
 
白泉社文庫『天使たちの進化論』
     (『月下美人』『千の夜』
     『天使たちの進化論』)
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ジャックとエレナシリーズは、白泉社文庫の上記の四冊に、ギャグパロ以外の作品が全て収録されています。(『22XX』は、J&Eシリーズとは別物ということで。)
 
花とゆめコミックス(以下HCと表記)の方が、絵が大きくてつぶれていないのですが、通販以外、入手困難かと思われます。

 

 『ミルキーウェイ』

 セクスレスのロボット、エレナは、200年の間ずっとただ1人の主人である人間の「天竜」を愛し続け、天竜のいない「「この世に未練がないから」(『ミルキーウェイ』文庫版P98・HCP28)と、40回も自殺をくりかえし続けた。けれど、ロボットのエレナは、「決して死なない」・・・死ねない。
 
 そして200年後、天竜の姿をモデルに造られたロボット、ジャックに出会う。その瞬間、エレナは、「生きる」ことを自ら選んだ。
 
 ジャックは、「オレは天竜じゃない、ジャックだ」「オレを作った奴がちょっとそいつの顔を借りただけで」(『ミルキーウェイ』文庫版P99・HCP29他)とくりかえし言うが、透視できるはずのエレナは、「ジャック、グラサンはずしなよ」(『ミルキーウェイ』文庫版P100・HCP30他)とくりかえしねだる。
   
 ジャックはその後ずっと、「自分の顔にやいてんの」(『竜の眠る星』文庫版1巻P264・HC2巻P92)と、かたくなにグラサンをはずさない。
 
「まちがえていたのは、オレ。一度だってあの瞳はオレなんか見てなかったのに」(『ミルキーウェイ』文庫版P162・HCP92)  『ミルキーウェイ』でジャックは痛感する。のちにエレナは「天竜の残像」よりも、ジャックを選ぶのだが。
 
 ただジャックにとって救われるのは、ジャックの「中身」まで「天竜のコピー」ではなかったこと。コピーされたのは、外見だけだということ。(だと私は解釈しているが。)
 もし、中身までコピーされていたのだとしたら、ものすごく残酷なんだろうね。「天竜をコピーした人形」になるのだから。エレナの反応から、そうでないと思うのですが。
 
 エレナは、もういない(死んだ)天竜ではなく、いつもそばにいる(共に生きる)ジャックを選ぶのだから。
 
「そうしていつまでも一人で生きていくことが出来るのに、人を愛さなくてもいいでしょう? 永遠に生きられる機械のくせに。宇宙にたった一人残されたって生きられるのに。」
「ちがう。だから必要なんだ。死ぬことが出来ないから。子孫も残せない機械だから。伴侶がほしかった。誰かを愛したかった。人間よりもずっと・・・」 (『ミルキーウェイ』文庫版P181・HCP111)
 
 清水先生のタイムスケールには、どぎもをぬかされる。
 時を越え、200年生き続けるロボット(ジャック&エレナ)
 600才のショナ(『月の子』)
 一千年生きたかぐや姫。(『輝夜姫』)
 何十億年もの間ずっと、地球の重力から解き放たれて「宇宙に帰りたい」と望む「月」。 (『輝夜姫』)
 
  永遠の愛がテーマの作品は多いです。手をかえ、品をかえ、試される恋人(ペア)たち。
 
 エレナはその後続く清水玲子の描く中性及び中性的キャラのルーツでもあります。

 
(初出/1986年4〜5月)
清水玲子 白泉社文庫『ミルキーウェイ』もしくは
花とゆめコミックス『ミルキーウェイ』 に収録

 

『ミルキーウェイ2』

 タイトルからは想像できない、(本編とはまったく関係ない)、J&Eのエッチなギャグバージョン。
 
 エイリアン役のエレナは、人間役のジャック、ルイスたちの宇宙船に回収され、次々と乗員を食べて(おそって)いくのだが。「エイリアン編」「猿の惑星編」があります。エレナがみだら。
 
 『竜の眠る星』連載中に描かれた息抜きバージョンです。
 
 星中に産みつけられた卵・・・。すごい発想だ。

  
(初出/1987年・秋)
清水玲子 白泉社文庫『ミルキーウェイ』もしくは
花とゆめコミックス『竜の眠る星/3巻』に収録

 

『ミルキーウェイ』『ミルキーウェイ2』
『竜の眠る星』全2巻
『月下美人』『千の夜』 『天使たちの進化論 』

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