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清水玲子ガイド
 ここでは、「清水玲子ってどんな作風な方なの?」ってことを、独断と偏見で書いてみます。

 

1.双子、クローン、コピー(複写)、そしてそれに類する者をテーマにした作品が多い。
 
  こと、双子、クローン、複写された者についての描き方には、清水先生の右に出る方は、そういないと思います。
 
 代表作3作にしてみても、
 「ジャック&エレナシリーズ」のロボット・ジャックは、ロボット・エレナの、最愛の人であった人間の「天竜」を、モデルに複写されて作られたロボットです。(すでに200年前に天竜は死亡。) ジャックはどうしても天竜に負い目があります。
 「月の子」は、主役が3つ子で、「3人のうち唯一の女性体のベンジャミンが死ねば、未成魚(ユニセックス)のセツが女性化できる、ティルトは自分の遺伝子を残したいから、ベンジャミンを殺してセツを女性化させたいと計画する」というストーリー。
 「輝夜姫(かぐやひめ)」は、臓器提供者として殺されるために作られたクローンたちが、本体を乗っ取っていく話。
 
 他にも、多くの作品に、同じ遺伝子で異なるアイデンティティを持つというキャラがたくさん出てきます。
 いろんな方向から、そのテーマについて語っています。
 初期作品の「ノアの宇宙船」では、18才のジュニアの命を救うため、彼の脳の回路を一時的に14才に戻して、「では今ここに居る14才のジュニアはどこにいる? 消えてしまうしかないのか?」という話。
 
 他にも、分裂人間だったり、誰かのコピーとして作られてたり、同じ人物が異なるアイデンティティをもったり、外見がころころ変わったり。
 
 「輝夜姫」でクローンにはまった方、ぜひ、他の清水作品も読んで下さい。短編や初期作品も、すごいです。

 

2.永遠の愛−−−− 一途なキャラが多い。
 
  1.とひきつづきますが、たとえ外見が変わっても、どういう立ち場でも、その人を見つけられるか、愛せるか。
 「真実の愛」がテーマなのが多いです。
 あるいは、永遠に、ずっと、何十年も何百年も、1人の人を求め続ける、愛する、あるいは知らず知らずのうちに同じ人を愛し続けていた。
 
 全ての作品が、「双子、クローン、コピー」をテーマとはしていないけれど、そういう作品だと特に、同じ遺伝子を持つ者が複数いたり、同じ外見を持つ者が2人いたりしたら、あるいは、同じ人物に人格が2つあったり、立ち場や外見が変わっても、「その唯一の相手を選べるか?」というのも、テーマになっている作品は多い。
 あるいは、同じ遺伝子の人を複数愛して(求めて)しまい、混乱するとか。結果、どちらを選ぶかとか。
 
 それ以外の作品も、一途なキャラが多いです。
 
 永遠の愛。真実の愛。

 

3.宇宙、そして地球と月。
 
  清水作品は、「月」をテーマとしたものが多いけど、「月」のみではなく、「宇宙」そのものに広がっている。
 
 「初期短編」や、「ジャック&エレナシリーズ」は、宇宙船や異惑星を舞台としたものが多い。そして「パピヨン」は「宇宙船内の少年刑務所」。「22XX」「MAGIC」も、異惑星。
 
 「月の子」も、月で育った3つ子の人魚の話だけれど、人魚そのものが、「宇宙空間の回遊魚」で、産卵のシーズンの間だけ、地球に帰ってきてくる種族です。
 「輝夜姫」も、月へ帰りたい「かぐや姫」と天人の話でもあるけれど、「月が地球の生物の創世に深くかかわっていて」「月の石が集まった時、地球と月はどうなるか」 ということも、描かれていて、「月」そのものに人格を持たせ、「月は宇宙に帰りたがっている」と、意志を持つ存在にしている。(もちろんフィクションですが。)

 

4.異種族が多い。
 
  「ロボット」とか「人魚」とか「月が故郷の天人」とか、異惑星人「フォトォリス人(疑似ホタル)」「プラナリア人」とか、「猿に退化した人間」とかとかとか出てきます。「月」そのものにも人格を持たせたりもします。

 

5.SF&ファンタジー。
 
  以上のことをテーマにする、キャラクターにする、舞台にする以上SFになります。
 というか、清水先生は、SFがお好きです。
 
 最新作「秘密」シリーズは、最も本格的なサイエンス・フィクションで、死者の脳を見ることにより、犯罪を究明する話で、人間の脳の見た視覚を徹底的に描いています。全く新しい最新のSFです。
 
 学園物、日常物もありますが、少数派です。

 

6.悲劇的、残酷、あるいは切ない結末が多い。
 
  清水作品は、ストレートなハッピーエンドの結末が、少ない。いきどうりのない切なさが残るのだ。
 そうすることによって、逆に永遠の愛、真実の想いとかいったものが描かれるケースも多々あります。
 だからこそ、奥が深く、心にひびくものが多い。
 
 あまり清水作品に明るいハッピーエンドを求めないほうがいいかも。
 
 あの「WILD CATS」でさえも、ライオンのシーザーの、人間の龍一への想いが切ないです。(「WILD CATS・3」。まだコミックス化はされていません。)

 

 

 
  これらは、数多くの清水作品の、一部を語ったのみにすぎません。清水先生の作風は、この十何年間、常に予想不可能な程、変化し続けています。作品は、バリエーション豊かです。
 
 清水作品は、主に、
 「初期短編」「ジャック&エレナシリーズ」「月の子」「輝夜姫」「秘密」「その他の短編」に大別出来ますが、全ての作品を知っている方のほうが、むしろ少ないでしょう。
 「食わず嫌い」のファンの方が意外と多いのです。
 
 清水作品は、数多く文庫化され、よっぽどの初期作品以外は、「輝夜姫」「WILD CATS」「秘密」以外のほとんど全ての作品が、文庫化されています。(エッセイマンガ、ギャグマンガを除く。)
 
 また、昔のコミックスは、白泉社HPでも入手出来ます。(ネット通販)。
 
 私のサイトを読んで、少しでも多くの方が清水作品にふれてもらえればいいなと思います。

 
02. 8/24(土)

    

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