「たとえ、いつか」

明日が、未来がなくてもよかった。
今があれば十分、幸せだった。
今。貴方(あなた)のそばに居たかった。
 
 
今。
貴方のそばに居たかった。
貴方と歩みたかった。
貴方が見ているものを見たかった。
貴方をもっと知りたかった。
貴方をもっと感じていたかった。
今があればよかった。
たとえまたいつか、闇の底に落ちるのだとしても。
 
 
貴方とつながっていたかった。
たとえいつか切れてしまうくもの糸でも。
貴方はいつも、私の光だった。
ただ一つの光だったのだ。
貴方だけが、私を絶望から救ってくれた。
貴方が外の世界に連れ出してくれた。
貴方が世界を見せてくれた。貴方が私の世界だった。
 
 
貴方だけが、泣いている私に気付いてくれた。
貴方だけが、私を解放してくれた。
 
 
今、貴方と共に居る。
今、同じ空の下、呼吸している。
それで十分、幸せだった。
 
 
たとえ明日が約束されていなくても。
たとえまたいつか、絶望に落ちるのだとしても。
今、貴方をみていたい。
貴方と共に、歩んでいたかった。
 
 
(『秘密 創世記』のイメージで。)
 
 
 
 

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