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「月の子BGM」


 

私は、『月の子』(というか、ティルトとセツ)のBGMを探すのが趣味なんです。
今回はそれについて書いてみようと思います。


 

「The Other Side of Love」(うた:坂本龍一featuring sister M)
 
 
かなり古い曲で、しかも英詩なんだけれど、
英語苦手な私が、下手ながら訳してしまった。
 
この曲は歌詞がすごい。「自分の愛は、絶対に正しい」
と、確信的な愛を歌っています。
でも、信じているようで
なのに、壊れそうではかない声で歌う。
中性的で、「消え入りそうな」声なんです。
確信してるのに、声はどこまでも透明で。
どこか不安げで、不安定で。
 
痛々しいほどまっすぐで。
この声の組み合わせの演出が、すごい。
それに声がもろティルトのイメージ。
すっごいティルトなんですよ。
細く、透明で。まっすぐで硝子のような声。
 
【私は私の心が一番正しいことを知っている】
【これ以上必要なものを私は見つけることが出来ない】
【私は求め続ける。もうひとつの愛を】

(上記「The Other Side of Love」より私の訳。)
 
この曲を聴くと、どっぷりとティルトの世界にはまってしまいます。
私の中で、ずっと一番のティルトの曲でした。
(ちなみに「featuring sister M」とは、坂本龍一の娘、坂本美雨のことです。)

  

【 】内は「The Other Side of Love」
(うた:坂本龍一featuring sister M)  の歌詞を私が和訳したものです。



  

「夏の月」(うた:ANRI)
 
 
この曲を聴くと、私はティルトとセツの2人暮らしの様子が、思い浮かびます。
別れと旅立ちの曲なんだけれど。
なんか、ティルトとセツが、NYで、未成魚になって二人きりぃ、の時の、
切なくて、もう別れ(自立)の時はもうすぐなんだけど、でもこのままが……。
といちゃついてるイメージ。
なんか、硝子とか海とか月とか水(ミネラル)とか、はまりますね。
聞いてて、そのままティルトとセツの姿が浮かぶんです。
 
 
【本を読んでも眠れない夜 あなたの背中を見てた
 重い硝子の窓を開けたら 気持ちいい風が吹いた
 いつからか気がつけば 頬づえついて ぼんやりしている
 古い灯台 白い波 光る海 何かを探すように】

        「夏の月」(うた:ANRI)より。
 
(ま、この曲は本来は同棲していた男女2人が、
 もう別れかなぁ……って曲なんだろうけど、
 こっちのほうが、もっともっとロマンティックじゃありませんか?)

  
【 】内は「夏の月」(うた:ANRI)より抜粋。

  
 

「Mercy me〜いつか光を抱けるように〜」(うた:ワイヨリカ)
 
 
この曲は奇妙に不安定です。
【こころの中にいる君が僕を救い出してくれる】と、願っているのに、
【きみのため なにができるの】と言ったり。
その不安定さがまさにティルトだよ。
 
【やがて来る日】とか、【尊い約束】とか、【運命の力に】とか、
【それでも信じて】【運命を疑って】とか。
【はげしい痛み】とか。【君がいないことを気づかせる】とか。
 
他のドラマの曲ですが、
まさに『月の子』ワールドと思いますが。
『月の子』のためにあるかのような歌詞ですね。
切なくて。痛くて。痛くて。
 
一人称が「僕」で、二人称が「君」だし。
この曲のラストのあたり、『月の子』のラストとシンクロして。
すっごく切なくなる。祈りたくなる。

 
【 】内は「Mercy me〜いつか光を抱けるように〜」
(うた:ワイヨリカ)より抜粋。



「誰かの願いが叶うころ」(うた:宇多田ヒカル)
 
 
歌詞のひとつひとつが好きだった。
【誰かの願いが叶うころ、あの子が泣いているよ
 みんなの願いは同時には叶わない】

 
とても魅了された。
 
泣きたいほど、切ない。
引き裂かれそうな思い。
とても、いとおしい。
 
「泣いているあの子」って誰?
「あなた」って誰?
「僕」って誰?
 
【誰かの願いが叶うころ、あの子が泣いているよ】
 
そのへんがまさに『月の子』ワールドで。
『月の子』も、誰かの犠牲のうちに誰かの幸せがあって、
幸せのうちに他の誰かが泣いていたから。
 
誰かの涙のうえに、誰かの幸せがある。
残酷な、切なさ。いとおしさ。
魅了、された。
 
『月の子』のイメージに、すごくあうなと思った。

 
【 】内は「誰かの願いが叶うころ」(うた:宇多田ヒカル)より抜粋。

 

ぜひおすすめです。ひたれます。

「月の子−MOON CHILD−」清水玲子
花とゆめコミックス全13巻/ 白泉社文庫版全8巻

(2004.8/19)


 


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